2012年5月30日水曜日

小劇場で TOSCA を観ました

ローマの5月の天候は、暑くなったり、寒くなったりでまるで三寒四温のようです。
先週の土曜日になりますが、”TOSCA”をアウレリオ劇場にて楽しんで参りました。

主役のトスカ役は、ソプラノのヒライ フジコさんが大熱演されました。
ここ「アウレリオ劇場」〔観客席200人程度の小劇場〕には、初めて来たわけですが、
舞台に立つ配役の方々の息使いが、そして口の動きまでが、目に入る距離でしたから、
ローマ劇場では味わえないオペラの観かたを楽しむことが出来ました。

ところで、オペラに行きますといつも驚いたり感動したりするのですが、3時間前後に
わたる長時間のあいだの舞台の立ち回りや歌曲などは、正に”人間藝術”であります。

そして、舞台の前に座る観客のオペラへの関心の強さと理解度の高さにも驚くのです。
しかし、本邦の歌舞伎など日本の伝統芸術をみれば、成程、同様なことが言える訳ですね。

手元にある伊和辞書で”TEATRO”〔テアトロ〕を引きますと、1.劇場、4.観客、と
あります。人間にとっては、古来、劇場は、毎日の食事やお風呂に入ることに類似した
ごく自然で身近な娯楽だったものなのかも知れません。

まもなくローマ市内にあるカラカラ浴場跡での”夏の野外オペラ”が始まります。
古代の浴場跡は、オペラファンにとって、最高の”劇場”に変身する訳ですネ。


               TEATRO AURELIO では、5月26日、27日の2日間
               ”TOSCA”が演じられました。

               歌姫は やまとなでしこ 熱い恋          元鷹    

2012年5月23日水曜日

BEETHOVEN 交響楽 第九  演奏会

ローマの市内を散歩していると思いもかけないところに音楽会、演奏会のポスター、チラシを見かけます。特に先を急がない時には出来るだけどのような内容の演奏会なのだろうか、と字書きを
眼で追うようにしてきました。昨年末には、自分の習性もあってか、ベートヴェンの第九の演奏会
は、どこかで無いものだろうか、と淡い期待を持ちながら、チラシなどに目を遣っていました。

ローマでの第九演奏会への関心は、月日を追うごとに高まっていましたが、ついに新聞「LA REPUBBLICA」の音楽会案内欄に、数字の”9”を見つけて大喜びしました。

BEETHOVEN SINFONIA n.9 ”CORALE”
とき:5月16日〔水〕21:00 場所:AUDITORIUM PARCO DELLA MUSIC
指揮:GEORGES PRE’TRE オーケストラ&合唱 ACCDEMIA NAZIONALE DI SANTA
CECILIA ソプラノ KRISTIAN KAISER メッゾソプラノ IRIS VERMILLION 
テノール NIKOLAI SCHUKOFF バス FLORIAN BOESCH
会場 SALA S.CECILIA

演奏会時間は、ほぼ77分でした。会場のサーラ・チェチリアには、ほぼ満席のお客様が駆け付けました。私の席は、「GALLERIA」7S SETTORE C1 の 4列15番席でしたが、演奏会を十分に楽しめた席《場所》と言えます。指揮者の指揮棒が良く見えましたし、何より最も関心を寄せていた合唱の面々≪イタリアNO.1の合唱を聴きたかった≫を見つめることが出来ました。

驚いたことは、いや驚くほどのことでは無いのかも知れませんが、ソリストもコーラスも楽譜をかざしての演奏振りでした。また、コーラスは第1楽章から、すでに席に掛けていいたわけですが、思い思いの椅子の掛け方で、面白いと思った次第です。(脚を組んだり、天井を見つめていたり、様々)
この辺りは、さすがイタリア流儀で愉快でした。ところが、第4楽章での合唱では、さすがプロの味を聴かせて戴けました。各パートとも20人足らずですが、その素晴らしさをきちんとお伝えすることは、浅はかな知識では叶わないことです。こればかりは、チャンスが有りましたら、ご試聴願わねばなりません。



               AUDITORIUM にて自由に手にとれる大判の5月演奏会案内小冊子
               中央下は、当日の入場券です。私は、”GALLERIA”7S-C1からの眺め
               に満足しました。因みに、29€(3000円程度)でした。

               憧れの CECILIAの 第九聴く  
               あの合唱 想い出しつつ             元鷹

2012年5月21日月曜日

ローマの郊外 カステッリ・ロマーニに遊ぶ

さて、いよいよ再開です。どうぞ宜しくお願い申し上げます。少し古くなりましたが、4月28日の
ピクニックのことをご紹介させて頂きます。

ローマを愛する大先輩のお誘いを受けて、ローマ郊外にあるカステッリ・ロマーニへピクニックに
こころおどろかせて楽しい一日を過ごして参りました。

さて、”カステッリ・ロマーニ”とは、ローマの南東アルバノの丘陵の火山性斜面広がっているローマ
の古城地帯を言います。例えば、即興詩人にでてくるジェンツアーノほか、アリッチャ、フラスカーティ《白ワインが有名》、トゥスコロ、ロッカ・ディ・パーパ、と言った町並み等がそれに当ります。

さて、今回の目玉《お勧め》メニューをお知らせします。
ARICCEA-アリッチャ のアンティ・パスチ です。これらは、とてもローマ市内ではありつけない
逸品メニューです。機会が、ありましたら是非ともお試しのほどを!
※因みに、我々が一堂に自信を持って、お勧めするのは、”DAL BRIGANTE GASPERONE”
  と言うレストランです。http://www.fraschettabrigantegasperone.com/
   VIA BORGO SAN ROCCO ,7 ARICCIA     TEL.06-9333100

先にお話しました「即興詩人」アンデルセン作、森鴎外 翻訳、にジェンツアーノの花まつりの様子
が、紹介されています。機会が有ましたら、お目通し願いたいと思います。
また、ゲーテのイタリア紀行第一巻《岩波文庫》182項には、11月15日、フラスカティにて。
「二日間私たちはこの地を歩きまわっているが、たえず何か新たな魅力に接するのである。」
と記載されています。

前述のレストランでは、白のハウスワインを楽しみました。これが、よく冷えていたこともあって、
歩き回った後に仲間との乾杯に次ぐ乾杯!では、本当に美味くこころから堪能して酔いました。



               TUSSCOLO・トゥスコロの古代の敷石です。

                    
               トゥスコロ遺跡近くに群れを成す羊です。


               ジェンツアーノの教会から下を望む坂道です。
               毎年6月の「花まつり」には、この道は花のキャンパスとなって
               多くの観光客の感動を呼び込みます。

               カスッテリ 幾つ訪ねて その町を
               歴史知らずに ただベニッシミ      元鷹


                

2012年5月19日土曜日

長い間ご心配をお掛け致しました。

ご訪問者・ご愛読者の皆さまへ !

4月4日投稿の”エウルのサクラ”のお話しを最後に1カ月と2週間の長きに亘りまして、
音信不通症候群に陥りましたこと、こころからお詫び申し上げます。

健康は至って通常通りで御座いましたが、正直申しますと2月初旬から4月中旬までは、
原因不明の痛みを左脚大腿部に感じ、歩行はバランスを崩し、通常歩行にかかる時間の
2倍もかかるような始末でしたが、現在は完治しておりますのでご安心願います。

ご無沙汰の主たる理由は、PC操作の不慣れ・不習得からくる技術の未熟さにあった、と
言えます。具体的には、本日、イタリア・テレコムの技術者、珍しく?奇麗な英語を話す青年
技術者でしたが、に来訪願い、修理対応をして貰いました。原因は、昨年入居時に取り付けた
”MODEM ADSL” の不具合であった、とのことでした。

それなら、もっと早く技術者を呼んでおけばよかったのに、と言う御声も聞こえそうですが、
それは、イタリア、ローマです。多少のイタリア語うろ覚え程度の語学力では、テレコムを
動かすことが出来ない、ことも時間を要した原因です。

この不通だった期間は、勿論メールほか全ての機能が動きませんでしたから、毎日不便さを
味わうハメになりました。逆に、読書を楽しむ時間は大幅に確保することが出来ました。
思えば、20年前の赴任時は、”PC”何ぞはありませんでしたから、時間は市内を左岸右岸に
隔てるテベレ川のようにゆっくりと流れていたのでしょう。このおよそ6週間は、或はそのような
ふた昔に戻ることができた、有難い期間だったのかも知れません。

久し振りに”PC”の無い生活への回帰を味わい、不便さを楽しんだ6週間でした。
皆さまには、ご心配をお掛けしながらこのような不謹慎な感想を申し上げる失礼を何卒何卒
ご寛容にお願いしまして、お詫び方々ご報告申し上げます。

明日からは、初心に戻って”ROMAの麗雅都だより”を再スタートさせます。
倍旧のご鞭撻をどうか宜しくお願い申し上げます。
                                   平成24年5月18日                   
                                               元鷹 気涯