2012年6月20日水曜日

”CHIUSO”(キウゾ) のお話し

イタリアは、「CHIUSOの国である」とは、H氏《元在伊日本国全権大使》の書かれた本の
一小節にあります。日本国を代表された方の言葉です。以来四半世紀の時間が経過しておりますが、さすがイタリアの首都ローマです。殆ど変わりは御座いません。

昨日のようなかんかん照りのなか、今日は初めて”国立楽器博物館”を見学に出掛けて参りました。ローマ四大教会のひとつ「サン・ジョバンニ・イン・ラテラーノ大聖堂」の在るメトロA線サン・
ジョバンニ駅から、徒歩8分位の所に位置しています。ポプラ並木の下、爽やかな風に頬を撫で
られながら、心地よい気持ちで真っ直ぐに歩きました。

「国立楽器博物館」は、サンタ・クローチェ・イン・ジェルザレンメ聖堂の正面左側にある入口から
アプローチがあります。やっとのことで、正面玄関に着きますと、門扉は閉ざされていて、直ぐ傍に
係り員と思われる女性《SIG.RA》が、携帯電話をしながら、右手を大きく振って、”CHIUSO(閉っている) !”、”CHIUSO!(閉っている)”と、盛んに叫ぶのでした。

成程、鉄扉は閉ざされていますから、何らかの理由に依って閉館しているのは分かるのですが、
兎に角、例によって、不親切極まり無い態度です。「早く立ち去れ!」とばかりに右手を振っては、
「閉鎖をしているのに、この客は、しつこいぞ!」とばかりに、只単に”CHIUSO !”を連呼する
ばかりです。全く困った係りであります。この炎天下に態々訪ねた博物館の係員に、この仕打ち
は、戴けません。サービス精神の欠片もありません。

切り返して、訊ねてみました。”年内には、開けるのかね?”と。すると、彼女曰く、”そうだといいのですが?”とポツリと返答がありました。客を客とも思わないこの不遜な態度には、これまで何度も遭遇してきましたが、なんともはや、”PAZIENZA”(がまん)あるのみです。ローマに生きるためには、”PAZIENZA”を身にまとわなければならないのです。

「嗚呼、ローマよ、イタリアよ、”CHIUSOの国よ!”」

銀行で、レストランで、博物館で、そして如何なる公共施設でも、いつ何時”CHIUSO”(閉鎖中)の
看板が出ていても驚かずに対応しましょう!{CHIUSO}の国ですから、”PAZIENZA”が肝要です。


                      メトロA線”サン・ジョバンニ”下車、サン・ジョバンニ・イン・
               ラテラーノ大聖堂正面にあるポプラ並木道を8分位歩きます。

                
                国立楽器博物館入口の近くにあった紹介看板です。
               左は、バルベリーニのハープでしょうか?右は、世界
               最古のピアノでしょうか?   

                  
                     
               この長いコリードリオの中央に正面玄関があります。
               余り知られていない博物館ですが、音楽・楽器に関心の
               ある方には、必見の博物館ではないでしょうか?

               ワクワクと 訪ねるところ ”キウゾ”なり     元鷹

1 件のコメント:

  1. chiuso,guasto,fuori sevizio...まずローマで否が応でも覚える言葉ですね~(ため息↓)
    「不親切態度」もいちいち腹を立ててたら、こちらがもちませんね。だいたいそう言った態度のイタリア人って、「あれ、ところでシニョーラ、そのスカーフ素敵ですね!とてもお似合いです!」なんてほめ殺しすると、コロッと態度が一変したりする気がします。対処するこちらに心の余裕(たっぷり)とイタリア語力が必要ですね(再度ため息)

    返信削除