今日から8月葉月に入ります。毎日厳しい暑さが鬱陶しくも、炭酸入り飲料水を飲めば、これは旨いと咽喉を鳴らし、朝夕の爽やかな風にあたれば、盛夏の楽しみも味わうことができる自然の有難さであります。
ところで、ローマの夏の夜の愉しみ方は多彩多色であります。
例えばいつも引き合いに出させて戴いて恐縮ですが、名画「ローマの休日」のクライマックスにもなっていますが、テベレ河川での音楽祭《ダンス、乱闘騒ぎ、そしてテベレ川へ飛び込む、etc..》、映画祭、期間限定のレストランなど、至ってバラエティに富んでいます。
また、市内の主たる歴史的建造物の数々は、陽が暮れますとスポットライトに当てられて、その堂々たる歴史の栄光をまるで物語るかのように浮かび上がらせているから不思議です。
その最たるものは、”コロッセオ”であります。最上階の一空間〔ひとコマ〕の中にすっぽりと満月が、収まったシーンは真に感動的です。
さてコロッセオから徒歩15分も歩けば、カラカラ浴場跡に着きます。
”カラカラ”〔ローマ皇帝/188-217〕とは、面白い名前ですが、これは本名〔マルクス・アウレリウス・アントニヌス〕ではなく、”あだ名”だそうです。
カラカラとは、彼が愛用したフード付きの外套に由来しているのだそうです。〔永遠の都ローマ物語/シャイエ著:青柳正規監訳より〕
皇帝カラカラ《CARACALLA》は、リヨン生まれ、在位211-217年。
212年公布したアントニヌス勅令で、帝国内全ての自由民にローマ市民権を与えたこと、カラカラ大浴場を作ったことなどで知られています。
カラカラ浴場は、1600人を収容できる大浴場だったとか。のちのディオクレティアヌス浴場〔306年頃/3000人収容可能〕ができるまでは、最大の規模の大きさだった、ということです。
さて、前置きが長くなりましたが、夏の夜の過ごし方の音楽の部の代表はここカラカラ浴場跡でのオペラ、バレー、コンサートを楽しむことです。
1800年後の今日、かつての公衆大浴場は、藝術公演の場と化し、多くの聴衆に楽しみを与え続けてくれているのです。感無量の一言です。
(左)2012年カラカラ浴場跡公演パンフレット
(右)2013年 同上
カラカラは 儚き夢の 大舞台 元鷹
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