2013年10月16日水曜日

”うめぼし”と”チョコレート”

私たちの普段の生活の中で、「心とこころとの通い合った瞬間」こそ、
ほのぼのと気持ちが晴れることはありません。

事の発端は、丁度1週間ほど前になります。
ハネムーンでイタリア旅行中と思われる若いお二人に、いきなり
「梅干しはありますか?」と尋ねられました。

さすがに梅干しを始め日本の食材の扱いがない為に近くのお店を1軒ご紹介させて頂きました。

しかし、そのお店での「梅干し」の有無までは把握しておりませんから、
明日で良かったら家にあるものをお持ちしましょう、と約束しました。
ただし、休みの為午後からのご来店をと、勝手なお願いをしました。

さて当日所用があり、店に立ち寄って同僚スタッフにその旨を伝えた。
仮におみえになったら、この包みをお渡しを願いたい、と。

次の日、依頼したスタッフに聞いてみると午後(遅く)にお越しになられた、
との報告を受け、役に立てて良かったと少々うれしい気分になりました。

さて、この日夕方に突然、お二人のニコニコしたお姿をカウンター越しに見るや否や、「昨日は有難うございました。こちらを。」とオシャレなデザイン紙に包まれた小箱をプレゼントされました。

家に帰って、リボンを解いて中を開けてみると、カタチの違ったチョコレートが、ギッシリと詰まっているのが眼に入りました。

かえって、お気づかいを戴いてしまったことに、若干の戸惑いを感じつつも、一口チョコを試してみれば。これは旨い!とびっくり。

これは、お二人はベルギー経由にて、ローマに入ったのかも知れない、などと勝手な空想に浸りながら、なお今一ケ、今一ケとチョコを頬張る。

箱の中にあった名刺サイズのお店紹介票を読むと”LEONIDAS”  Roma-via dei Redentoristi 16とあった。えっ、ローマのチョコではないか!!

私は、ガーンと頭を打たれたかのように何度もそのカードに眼を通しました。と言いますのも、これ程美味しいチョコレートが、地元に在ることを知らずに長い期間居たからです。

しかし、日本から来た若いカップルの情報収集力とお店を探し当てた探究心に、そしてそれ以上とも言える”梅干しへの感謝のしるし”をカタチに表してくれたお二人の心情に触れて、嬉しさも美味しさも100倍になりました。

これから梅干しを食する時には、お二人のお気持ちが想い出されて、スッパイ味と甘い味が交差するのではないだろうかと楽しみにしています。

                               チョコレート・カラーのシックな包装紙とリボン。
                 
                お店は、パンテノンに近い裏通りに在ります。



               ほのぼのと ひとの心に 情あり       元鷹


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