2013年11月26日火曜日

第204話 ピアニスト・プーニンの想いで

先週は毎日のように雨が続いて、おまけに寒さも一段とすすみ、ローマは
まさに冬型の天候パターンに嵌ったような気がしてなりません。

15日〔金〕夜のフジコ・ヘミング女史のピアノリサイタルの感想を前回の
ブログにてお伝えしました。会場入口にて、4種類のCD/DVDセットを販売していましたので、私も1枚記念にご相伴させて頂きました。

次の日から朝に昼(休みの時だけですが)に、そして夜にフジコさんのピアノ曲が、私の小さなアパートの部屋で奏でられております。そして今も。

実は、ローマでのピアノリサイタル観賞は20年も前にも1度あった事を
懐かしく想い出しました。忘れられない演奏会だったのです。

それは、当時大変有名な世界的なピアニスト//スタニスラフ・ブーニンの
リサイタルでした。雨の中を妻と一緒に出掛けたことを覚えております。

20年も前のことですから、うろ覚えなのですが季節は丁度今時分でしたか、会場さえも想い出せないのですが、テベレ川に沿った地域でした。

さて、ブーニンがピアノ演奏中にステージ天井から雨漏りがあったのです。丁度、ピアノ(アップライト)の天板にでも雨水が当ったのでしょうか、
若しかしたら、暫くの間演奏しながら我慢をしていたのかも知れません。

客席側からは、その情況は何も伺えませんでした。
その時です。ブーニンは、やおら立ち上がってピアノを一人で引いて
移動始めたのです。

その時の瞬間の判断と行動には、ただただ驚いた次第です。
素早く移動を終えると何も無かったかのように再び演奏を開始しました。

オッー!この世界に冠たるピアニスト//ブーニンをもってしても、ローマの演奏会場は、ピアニスト自身に演奏中にピアノを引かせる! とは?
今でもこの光景を忘れられずにおります。


                 

                   ヴァチカン美術館に向かう途中のカベ
                    ※文章とは関係ございません。


                ショパン弾く リサイタルにて ピアノ引く  元鷹
 

0 件のコメント:

コメントを投稿