2014年5月27日火曜日

第244話  パスクィーノ像

ローマの天気も遅まきながらやっと夏型の安定した様相を見せてくれるようになりました。大通りを闊歩する観光客のファッションは、既に夏そのものとなっております。

さて、ローマの観光名所の一つに”ナヴォナ広場”があります。
数多くある知られた広場の中でもこの”ナヴォナ広場”は、ローマの魅力を
凝縮したような広場であり、かつ最大級の広場であります。

このナヴォナ広場の一角に大変ユニークな形をした石像が建っているのをご存じでしょうか?
場所は、Piazza di Pasquino (ナヴォナ広場近くになります)です。

この石像を「パスクィーノ」と呼ぶそうでございます!
曰く因縁をご説明するほどの調査が出来ておりませんので、ガイド本から
一部抜き書きさせて頂きます。

”かつていくつかの古代彫刻が風刺文のビラを張る場所に利用された。
これら古代彫刻のひとつ『パスクィーノ』にちなみ、反体制的な誹謗文書をパスクィナータと呼ぶようになった。”
  ※抜粋は、「ROMA」同朋舎出版p46、伝承と風習 より

また、もう1冊のガイド本から引用をさせて頂きます。
   (地球・街角ガイド タビト ROMA P.124 パスクィーノ)より

 
”パスクィーノはローマでもっとも有名な「もの言う像」だ”

”この大理石像はヘレニズム彫刻の残骸で、『イリアス』に登場する、奴隷のパトクロスを楯で守るメネラオスを表したもののようだ。1501年にこの街角に建てられるまでは、たんなる道端の踏み石だった。その付近にパスクィーノという名の口の悪い靴直し屋がいた。そのころのローマは言論の自由がなかったので、彼はそのときどきに感じた当局などへの不満を皮肉なコメントにしたためて、この像に付けた。”

以上の2冊の本からの引用で、多少なりともこの石像の意味合いをご理解戴けましたでしょうか!?

ガイドブックに依りますと、政府、教皇、そのほかへ批判、不満などを訴える目的で利用したこのような「もの言う像」はと言いますと、他には2点あります。

①マルフォーリオの像(カンピドーリオ美術館/パラッツォ・ヌオーヴォ)
②マダム・ルクレツィアの像 
  ※ローマでは、一連の「物言う像」をしゃれで「機知の修道会」(アルグーティ)と呼 ぶ。ルクレツィアは、そのなかの紅一点。

   ※抜粋は、同上に記した「ROMA」 同朋舎出版p47より。

話し好き、おしゃべりなことでは、天下一品の人達が、言論統制が厳しかった400年前の昔には、石像にビラをはって鬱憤を晴らしたり、市民の井戸端会議代わりに使用したと云うのも、「ナルホド、ローマかな?」と感心しております。

              顔はすり減って凹凸が見られません。
            500年以上前からこの場所に建っていた
            のでしょうか? 

            
              パスクィーノ像 正面から撮りました。
            ナヴォナ広場を訪れる時には、是非ご覧下さい。



               パスクィーノ  役割終えて 静かなり  
                                 
                 
                                  元鷹 




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