2015年4月28日火曜日

第346話 ウテンシレリア

 
皆さま、こんにちは!今日はクイズから始めたいと思います。
タイトル書きの「ウテンシレリア」は、日本語の「雨天知れりあ」という文語体のカタカナ書き?はたまたイタリア語の日本語読み?何れでしょうか?

ハイ、正解は後者の「イタリア語の日本語読み」です。

即ち、イタリア語”UTENSILERIA”のことであります。訳は、「金物屋」です。下に掲載の写真をご覧下さい。大工用品、家庭で使う金物などを観ることができるかと思います。

因みにこのお店「ウテンシレリア」〔雨天知れりあ〕は、メトロA線から徒歩約10分ほどの所にありますファビオ・マッシモ通りに在りました。

すーっと入ってみたくなる様な楽しい道具類が、小奇麗に並べられていたのが印象的でした。日本のDIYショップを小さくしたようなお店でした。

ネーミングが何とも云えず”雨天知れりあ”(ウテンシレリア)とイメージが浮かんで楽しい限りです。何とも面白い発音の偶然でありましょうか!

”ウテンシレリア”=雨天知れりあ
            ローマ字読みのおもしろさがこんなところに

           
お店のショーウィンド-には
               大工道具、ガーデニング・グッズが
               並べられています  

            
                 ピクニック 雨天知れりあ 傘持たず
                                     元鷹  

2015年4月26日日曜日

第345話 サンタンジェロ城

ローマ市内を散歩している時に、不意に「オー,これは!」と感嘆と言いますか、驚く場面に出くわすことが時々ございます。

予期せぬ景色などが、目前に現われることが大体この「驚く場面」であると、いえます。

今日の「驚く場面」即ち”サンタンジェロ城”は、ローマにお越しになられた方なら、一度と云わず何度も観光バスの車窓から、或はヴァチカン市国辺りを散歩している時などに、眼に止められていることと思います。

正式には、CASTEL SANT'ANGELO、カステル・サン・タンジェロ〔聖天使城〕と呼ばれ、テヴェレ河畔に建ち、元来はローマ皇帝ハドリアヌス帝によって、139年に建てられた皇帝の霊廟でした。

屋上の塔には、大天使ミカエルの銅像が飾られています。
さて、今日のテーマは”予期せぬ素晴らしい出逢い”とも言いますか、
散歩中に偶然に姿を現してくれたこのサンタンジェロ城を写真にてご紹介
致しましょう!

                               BANCO SPIRITO通りからサンタンジェロ城を
            眺めます ハト一羽が映っています

            
            高さは45mほどあると云うサンタンジェロ城
           139年に建てられていますから、ローマの歴史
           を見届けているのでしょうか

        
            大空に サンタンジェロの 聳え建つ
                                  元鷹 

2015年4月24日金曜日

第344話 ちっちゃいお店

ローマの春は、気持ちが晴れます。お天気も、そして気持ちまで晴れるので、ついつい外へ出たがります。これは、自分のことでは,ありますが…。
家事もしなければ、と思いつつ後回しにしがちな今日この頃です。

今日は、その散歩の際に偶然見つけた”ちっちゃいお店”をご紹介します。
月初に「SHAGALL」展示会へ出掛けましたが、その帰りに歩いたVIA DELLA FOSSA、12にあります。

お店の名は、「BAGUETTERIA DEL FICO」  www.baguetteriadelfico.it
”バグエッテリア デル フィコ”というものでした。間口は一間も無い位、狭いのですが、何か惹かれるものを感じましたので、思い切って入ってみた
のです。

客は他になく、カウンターに精々7~8人、一寸離れた処に4人がやっと座れる位のテーブルとイスが在るだけのちっちゃなお店でした。

主なメニューは、何と言ってもパニーノの種類の多様性といいますか、
具を各種やさい、そして各種プロシュート〔ハム〕から自分で選んで注文をして、食べるものです。

ビールは、地ビールと言ってもよいのですが、普段はお眼にかかれないような珍しいラベルが張ってあるビール瓶を沢山用意しておりました。
これも、愉しい選択といえます。 

と言う訳で、私はパニーノとビール〔小瓶〕を注文して、ひとりだけの昼食をこの「ちっちゃいお店」で楽しんだのです。

料理された野菜を選んでパニーノに
            挟んで貰います お好みで楽しめます
            
            
正面右側の棚には地ビールが勢ぞろい
            選ぶのにも迷いが出てきます

            
私の選んだビールです!サッパリとして
            美味しく頂きました。


            小じんまり されどお店は 大宇宙
                                元鷹    

2015年4月21日火曜日

第343話 時を惜しむ その2

古代ローマの格言「CARP DIEM」から派生して、前話その1では、時代は遠く中国の古の唐詩を例えて「時を惜しむ」のテーマを考えてみました。

今回、その2では、今一度イタリアに戻りまして、古都フィレンツェは、ルネッサンスの黄金時代・ロレンツォ・ディ・メディチのことば〔詩〕を手繰ってみたいと思います。

メディチ家3代目当主ロレンツォは、大変な政治力、外交手腕を持ちながら、なおかつ正に文芸復興を自ら興して、数多くの芸術家の育成をしたことでも有名な人であります。

さて、そのロレンツォの作品に「バッカスの歌」と名付けられた詩が、大変流行ったということです。全くの想像でしかありませんが、イタリアの多くの町や村で歌われたのかも知れません。その一部をご紹介します。

”青春は麗し、されど逃れ行く
楽しみであれ、明日は定めなきゆえ”

1830年代ローマに滞在したハンス・アンデルセンが著した「即興詩人」は
明治時代、森鴎外によって美しい文語体による日本語で紹介されました。
今、手元には安野光雅著「口語訳 即興詩人」〔山川出版社〕があります。

そのなか「五十九 ヴェネツィア へ」p510~p516を参照します。
p515にある詩〔少年が船のなかでヴェネツィア民謡を歌う詩〕を列記します。

         5番目の歌
恋せよ
こころの若く 血の熱いうちに
矢のように 時は過ぎる
永遠を 願う人の気も知らず

上に記しました詩は、「CARPE DIEM」の真髄を唱えているように思えました。キーワードは、”時は過ぎ去る”のでありますから、”今を掴め”ねば
為らない故であります。

また、※歌曲「椿姫」の”乾杯の歌”の中では、この様な意味のことです。
※作曲G/ヴェルディ〔1813-1901〕

”この世の命は短く 空しく過ぎてしまう
 またと帰らぬ日のために 盃を上げよ
 青春の日は短く 人の世の命ははかない夢と
 すぎてゆくよ”

ここでも伝わる詩の趣旨はよく似ています。

古代ローマに始まって、唐の時代、イタリアのルネッサンス期、そして19世紀の詩歌などを拾い上げてきましたが、14世紀日本の書物から見いだしたものに「徒然草」がありました。

第108段 寸陰を惜しむ人なし。これ、よく知れるか、愚かなるか。
       以下略。

やはり、”時を惜しむ”を書いているように思えます。古今東西、時に寄せる人の想いは変らないようでございます。

最後になりますが、大正時代に創られた「ゴンドラの唄」をご紹介しまして、私も時を惜しみたいと思います。おつき合い有り難うございました。

ゴンドラの唄  作詞 吉井 勇   作曲 中山 晋平

いのし短し 恋せよ乙女
朱き唇 褪せぬ間に
熱き血潮の 冷えぬ間に
明日の月日の 無いものを


             古の 人の想いは 今も尚
             変らず生きる 熱きこころに
                            元鷹  

         

                 






2015年4月19日日曜日

第342話 時を惜しむ その1

さて、ラテン語”CARPE DIEM”(この日を掴め)と言う格言は、時代を下って、どのような展開をして行くのでしょうか?

意訳をしますれば、”この日を、この時を生かせ”、或は”掴んだこの時を離すな”といった意味合いになろうかと思いますが、如何でしょうか?

〔いにしえ〕の時代から、人は誰かれなく「時」を惜しみ、その大切さを尊びながらも後世へ伝えてきたのでありましょう。

このことは古今東西、何処の国でもその国の言い回しで、人々に伝えられてきて、世界共通の価値観いや、時間感〔初めて使いましたが〕と言って良いのかも知れません。

中国は唐の時代、多くの漢詩がつくられましたが、「時の移り変わり」を歌う漢詩も多くありました。例えば、晩唐の詩人許渾〔きょこん〕の歌には、

七言絶句 / 秋思 3行、4行〔転・結句〕 
            高歌一曲掩明鏡  昨日少年今白頭
             高歌一曲明鏡を掩〔おお〕う  昨日の少年 今は白頭
とあります。この白頭とは、白くなった頭のこと、即ち白髪〔しらが〕ですね。
時間の容赦ない速さを白髪に象徴させているのでしょうか。

五言律詩 / 春望 〔杜甫〕の七句、八句をみてみます。
             白頭掻更短 白頭掻けば更に短く
             軍欲不勝簪 軍て簪に勝えざらんと欲す
                      ※軍には、さんずいが偏〔へん〕となります。

この詩は、「国破れて山河在り」で始まるよく知られた杜甫の作ですが、
ここでも「白頭」という文字が出てきます。

どちらの漢詩にも「白頭」が出ていますが、自身の年を重ねた人生を表現することばのように思えます。そのほか、漢詩には人生の時間の速さを詠んだものが多く見られます。自然と時間は、人生のテーマなのですね。

纏まらなくなりました!次回、その2.で、今一度”時を惜しんで”みたいと
思います。どうか、おつき合い願います。

                               本文とは関係ありませんが、4月7日     
            撮影のサンタンジェロ城です。


            時間とは 不思議なものよ 何ぞやと
                               元鷹      

2015年4月14日火曜日

第341話 洒落た靴屋さん

前話にてご紹介しました”SHAGALL”展へ行く手前の角にあった婦人靴屋さんのオシャレなお話です。

それと無く目を遣ると「CARPE DIEM」〔カルペ ディエム〕とラテン語で大きな文字が目立っていたのです。商品ブランド名なのか店名なのか、咄嗟には分りませんでした。

興味を惹きましたので、ガラス戸越しに近づくと確かに「CARPE DIEM」と言うラテン語で印字された文字が、大きく眼に映りました。

さらに良く見れば、少し間をおいて靴のイラストにプラス「S」のアルファベットが、CARPEのちょっと前についておりました。

ラテン語”CARPE DIEM”という文字が意味することは、「今日を掴め」、
「今日という日を摘み取れ」と言ったことのようであります。

ここの店主は、なかなかの趣味人であります。プロパガンダとして、ラテン語を使った訳ですネ。しかも、S+CARPE =靴 という謎かけを入れて!

”お客さま、迷わずに今日のこの機会を掴んで、靴をお選びください”と。

お見事!と絶賛したいほど感動のアイデアです。機知に富んだこの言葉遊びの精神こそローマ人の持つインテリジェンスなのだろうか?と想いつつこのお店の前を行ったり来たりして、晴々とした気分になりました。

ところで余談ですが、この古代ローマ時代の名言”CARPE DIEM”(今日と言う日を掴み取れ)は、代々人々に繋がれて現代に生きている訳ですが、その辺を次回に紐解いてみたいと思います。独断でございますが、ご了承願います。

ラテン語に謎かけした店内看板?
            VIA PARIONE にて
            
お店角になる壁面にも、このとおり?!
 
 
お洒落さん ラテン語使い 謎かけも
                 元鷹

2015年4月12日日曜日

第340話 SHAGALL Love and Life

ローマの町は、遺跡と教会そして美術館・博物館ばかりではありませんが、それにしましても"住む者"と”観る者”を飽きさせない施設や機会を
ふんだんに持ち合わせている処であることには違いがありません。

3月16日から7月26日までの開催にて、表題の美術展が開催されて
います。おりから連休で時間も取れましたので早速出かけて参りました。

会場は、ナボナ広場に近い便利な場所にあり,趣きがあります。
「CHIOSTRO DEL BRAMANTE」といい、歴史を感じさせてくれるデザインが素敵な建物の中にあります。

13ユーロの入場料を払って、会場入口を探しました。 想った以上の入場者で入口から混み合っておりました。世界からのお客様のようで、イタリア語は勿論、英語、ドイツ語を話す声が自然と耳に入りました。

この展示会では、サブタイトルにもあるようにシャガールのテーマだった
LOVE AND LIFE の思想を色々工夫して作品のディスプレイや、写真をふんだんに使った紹介のパネルが展示されて、全体的に分り易くなっていました。

ローマのこのような美術展、工芸展など、訪れ度に驚くと言いますか、感心してしまいますのは、各展示ルームにウオッティング〔見張る〕する係員が、居ないこと、或は少ないこと、または居てもおしゃべりしていて、お客の動向を観て居ないことであります。

さらに、シャガールのような絵画展でも、綱〔ループ〕やガラス戸などで、
ガードされていないことであります。ローマだけでは無いのかも知れませんが、観賞する側には大歓迎ではあります。

話を転じまして。昨年の5月のことでした。この会場、即ち「キオストロ・デル・ブラマンテ」に於きまして、日本人作家の"TOMMY大平"さんが個展を開いたのでした。

私は、日本人が芸術の都ROMAに出向いて作品を紹介することの大変さを十分理解するするものでは有りません。

しかし、その心意気や天晴れと申し上げるほかは無く、作品に見てとれる日本人離れした”生への希求”にただただ感動したことを、つい昨日のように、この会場の佇まいに立ちながら想いを巡らしておりました。

さらに特記すべきことは、オープニング・レセプションの会場にピアノを用意され、イタリア歌曲と日本の懐かしい愛唱歌とを合わせて10曲位歌われたのでしたが、声楽家でもあられるのか、と驚いた次第でした。

今秋ローマにて第2回の”TOMMY・OHIRA展”が開催されるご案内を頂いているのですが、今から楽しみに待っているところであります。



                                教会左側に会場となるキオストロ・
            デル・ブラマンテがあります

           

            市内の掲示板に貼られたSHAGALL展
            ポスター、ヴィア・ピアヴェにて
キオストロ中庭からアングルをアップして
撮影してみました
 
春はよし 美の都にも シャガール

2015年4月10日金曜日

第339話 ナポリ郊外のカゼルタ王宮見学 後編

庭の見学を先に回して良かった、とホットしました。
と言うのも、自分の観たい王宮の内部を自分なりに後半の時間を調整しながら、歩きまわることが出来たからです。

事前にネットにて、王宮の見所を調べてみたのですが、大小1、200の部屋があるとのことだけで仔細は分りませんでした。実際に、建物の中を歩いて分りましたが、驚くほどの部屋を一般開放しています。

それでも、精々一般に観ることが出来る部屋は、100部屋も無かったのではないかと思った次第です。しかし、見学した部屋の眩しいばかりの調度品の数々は、溜息が自然とこぼれてきました。

家具調度品は、”帝政様式”であるとモノの本に書いて有りましたが、かつてインテリア関連の仕事をしていましたから、興味が沸いてウム、ウムとばかりインテリアのデザインに関心が集中しました。

部屋の美しさは、語り尽くせません。また、豪華なシャンデリアや家具敷物
、オヴジェなども、皆さんには写真でお楽しみ戴きたいと願います。

そろそろ帰りの電車のことも気になりだしましたので、遅くなる前に王宮を後にしました。街並みを少し歩くことにして、正面出口を左の方向へ。
幸いにも、雨はほぼ上った状態になり、ホットした次第です。

パスクワの日曜日ですから、殆どのお店は生憎しまってました。
街並みは静かで、両脇に植えられた木々が雨に濡れた後でもあり、みどりが生き生きと映っているように見えました。

10分も歩かない内に駅近くまで来てしまいました。ふと、反対側の建物の壁を観ると、”アンドレア・ボッチェリ”のコンサートのポスターが2枚貼ってあることに気づきました。

しかも、今訪れたばかりのカゼルタ王宮でのコンサート開催の知らせでした。日本に帰国するまでに一度は、”A/ボッチェリ”のコンサートを聞いてみたいと願っていたので、デジカメにそのポスタ-を収めて置きました。

                               堂々の大廊下でした 王宮の荘厳な雰囲気が
            伝わってくるようではありませんか!

           

            王宮内の礼拝堂?だったと思います
            天井が高く厳かな雰囲気が漂っていました

            
見事なシャンデリアに圧倒されました!
 
図書館が3部屋くらいありました
王家の人達の勉強振りが伺えます
 
 

            カゼルタ宮殿の正面玄関を帰り際に
            撮りました

           
 
アンドレア・ボッチェリのコンサート開催の
ポスターに眼が止まりました。
 
雨降れど 憧れの宮 訪ねたし
                元鷹

2015年4月7日火曜日

第338話 ナポリ郊外のカゼルタ宮殿見学 中編

さぁ、やっとこさ”カゼルタ”駅に到着です。雨は止みません。駅構内を
キョロキョロと案内係、もしくは案内看板を探してみたのですが、一切何も無い、人も居ないという殺風景な駅構内でした。

とは言っても、これまでの体験でも国鉄の構内の様子は殆どこのようなものかと思われます。必要な情報は、自前で入手しておかねばなりません。

結局、学校帰りではと思える学生の若者に、{レッジェ・カゼルタ}が何処に在るかを聞く事が出来ました。その若者は、呆れかえったかのような表情を示して、”あの建物です!そこを渡れば直ぐですよ!!”と教えてくれました。

成程、雨で見通しは良くなかったのですが、立派な建物が構内からも観て取れました。余りに駅前なので、私も嬉しくもビックリしました。

宮殿へ着く前に、カゼルタ宮殿について、マメ知識をお知らせ致しましょう!※ミュッシュラン・ガイドブック”イタリア”から引用します。

ラ・レッジア〔宮殿〕 1752年に建築家ヴァンヴィテリにこの途方もない広壮な宮殿造営の命を下したのは、ブルボン王家のカルロⅢ世王であった。全イタリアを通じても、最も壮大なこの宮殿は、方形〔249×190m〕に
造られており、6階建てである。〔以下、省略します〕

以上のご説明だけでは、全くチンプンカンプンではないかと思われますので、論より証拠ではございませんが、写真を多く掲載しますので、ご理解の一助にされます様に願います。

さて、宮殿入口までのアプローチは、まるで公園か大きな庭の中を歩いているような錯覚をしてしまいました。正面の大きな玄関を潜ると、係員から、「ここは出口なので、右側から入って下さい!」と注意を受ける始末。

仕切り直しでいよいよ入場!階段を1階上がったところが、チケット売場でした。「大人ひとり、おいくらですか?」と申しますと、「本日、無料です!」とキッパリ言われました。パスクワ祝日は、無料公開日だったのです。
※因みに、通常は12ユーロです。

想定以外だったこともあり、払うべきものが免除されることは滅多に有ることでもありませんから、つい嬉しく顔がほころんだに相違有りません。

さて、何処から何を観て廻ったものか?これだけ大きい建物だと面喰います。雨が降っていることもあり、中庭〔これがまた通常の大きさではありませんが〕からの見学コースを取りことにしました。

この庭を見学するために、ミニバスが走っているのです。但し、料金は
2.50€〔約350円〕でした。ここを歩くことも出来るようでしたが、私は時間の都合もあって、便乗することにしました。

ミニバスでの中庭周遊は、大変快適でした。20人も乗れないようなミニバスでしたが、ゆっくりと直線コースを運転してくれて窓越からの眺望を助けてくれました。

バス運行の一番奥〔折り返し点〕では、10分間の休憩時間が配慮されましたので、噴水やら、一番遠くからの宮殿の眺めを写真に収めたり、美景色を瞬時でしたが、楽しみました。”あっ、ここまで来てよかったなぁ!”と。

一番奥に設えられた優雅な噴水に魅了されました
            "Fontana di Diana e Atteone"と言うテーマです
           
絶え間ない水の流れ
            この水が源水となって下方の噴水へ

            
ニンフの川遊び?ストリーは、ギリシャ神話
           からだと思われますが・・・?
                    "Fontana Di Diana e Atteone"
            
飛び掛かってきそうな気配を感じますね
ほんものの犬のようで、びっくりしました
 
王宮から一番離れた大噴水の地点から
王宮を撮りました 噴水と池がつづきます
 
 
これほどに 贅を尽くして 王の庭
                  元鷹 
 
 
 






2015年4月6日月曜日

第337話 ナポリ郊外 カゼルタ宮殿見学 前編

今日5日は、PASQUA復活祭の祝日でした。イタリアは、今日そして明日と祝日連休となります。思い起こせば、昨年には、ローマ郊外にある「パレストリーナ」へ出掛け、その様子をお知らせしたことを想い出しました。

今年は、カンパーニャ州〔ナポリが州都〕にあるカゼルタ宮殿を見学して参りました。その一部始終をご報告したいと思います。≪前・中・後編≫

ローマ・テルミニ駅から、11:16発特別急行「FRECCIA ROSSA」に乗って、一路ナポリC.LE駅へ向かいました。

その間一時間少々でした。快適なナポリへの電車の旅でした。ただ、外は朝からの雨で煙っていた為に景色を楽しむことは出来ませんでした。それでも、遠くに観れる山影や田園風景を味わいつつナポリへ向かったのでした。

終点のナポリ中央駅で電車を乗り換えて”CASERTA”(カゼルタ)駅を目指しました。調整時間は、およそ40分位でした。ローカル線で、目的地まで、ゆっくりとナポリの北東20KM先へ。

時間は、13:20頃でした。車窓から外の景色は,強い雨のせいで生憎曇ってよく見えません。お腹も空いたことでもあるし、家を出る前に作ったおにぎりをリュックから、取り出して食べることにしました。

すると4人掛けボックス・シートで、私の斜め前に席を取っていた40歳代のシニョーラが、急に声を掛けてきたのです。

”それは、何ですか?”と。
私は、突然に聞かれたシニョーラのさすがイタリア人らしい質問に多少の戸惑いを感じながらも”おにぎり”の説明をしたのでした。

〔「おにぎり」と呼びます。お米で作ります。外を海苔で巻いて食べるのです。少し試してみますか?〕と私。シニョーラ曰く、「米は私も好きです!」と
驚きを隠さずに黒色の”手榴弾”のようなおにぎりを見詰めてました。

ナポリ駅を出たローカル電車は、casanuovo,acerra,cancello.....と各駅をゆっくりと経過して、雨の中を”CASERTA”へ向かうのでした。

雨の降りしきるなか、無事にナポリ中央駅に
           到着した「フェリッチァ・ロッサ」”赤い矢”

            
チケットは、乗車前にプラットフォーム付近
           に設置されたこのような機械に差し込んで
           日付、時間をスタンプします/テルミニ駅にて

           

            ”CASERTA”駅にて撮影
            窓口の駅員さんが、とても親切で印象的でした

                
             パスクワや 雨ニモ負ケズ カゼルタへ
                                    元鷹

2015年4月2日木曜日

第336話 コロッケを作りました

ローマにこれまで過ごしてみて、何かと自分で作った食事は数限りないのですが、それでもあれを食べたい、これも試してみたいと、次々に「食欲」が襲ってくるのは、何故なのだろうか?と思うことが只有ります。

その中で食べてみたいひとつに、どういう訳か「コロッケ」があります。
あのジャガイモが詰まって、パン粉で衣をつけたアツアツのコロッケには
幼子時代からの想いでまでも詰まっているのかもしれません。

やっとのことで昨夜、デコボコのポテト・コロッケを6個を作りあげました。
食べてみると、ヴォリュームは十分あったものの、味が薄味で物足りなさを感じました。次回への反省です。結局ソースでカバーして、頂きました。
 
ロ-マで初めてつくったコロッケです。
            残念ながら味にもっと工夫が必要でした。

            
            コロッケや ないものネダリ 手作りで
                                 元鷹
 

2015年4月1日水曜日

第335話 エウルの花見

まず最初にお詫びと訂正を申し上げます。
  第334話と今回の第335話の中間に第228話を挿入させて
  頂きました。下書きに置いたまま、忘れておりました!

ポカポカ陽気に誘われて、「エウルの花見」を楽しんで参りました。
エウルとは、ローマの新地〔1930年代につくられた街〕の総称です。

この一角に人口池があって、湖畔河岸に日本からローマに贈られた
サクラの木々が植えられています。ネットで調べてみましたら、1959年
7月20日に当時の総理大臣岸信介が、記念植樹をしたと記録がありました。

このサクラ並木の一帯は、すなわち人口池の一辺を「日本の散歩道」と
名付けています。"Passeggiata Giappone"と地図には、記されています。

今日3月31日午後の時点では、ほぼ八分咲きと言ったところでしょうか。
今日でここを訪ねたのは、3回目となりましたが、何時来ても気持ちの良い景色と空気を味わうことができるのは、有難い限りです。

サクラの木を手入れされていた管理人さんに、”この一帯には何本のサクラがありますか?”と訪ねましたところ、”さあね、沢山あるね!”と素っ気ない返事が返ってきました。

さぞかし、空想ですが、1959年〔昭和34年〕に植えられた当時には、
池の周りに100本、200本のサクラが花を咲かせていたのかも知れませんが、今日観た限りでは、100本も無いほどでした。

それでも平日に関わらずに、池周辺には家族連れの人達が木の下でお花見を楽しんでいる姿が目立ちました。

今度の5日と6日はパスクワ連休です。ローマ市民、エウルに住む多くのイタリア人で、池の周りは混み合うことでしょう。

それにしてもローマ・エウルの「日本の散歩道」のサクラも、ワシントンD.C.
ポトマック湖畔のサクラ並木も、其々、現地の人達に日本を代表するサクラ、お花見の醍醐味を長きに亘って、楽しんで貰っていることは、ただただ
素晴らしい限りであります。


今盛りの「日本の散歩道」のサクラ並木

           
温んだ池からサクラを楽しむ?カメさんです。

            
サクラの木の手入れ作業中の人に
            聞いてみました。”サクラは、何本ありますか?”
            返答は”TANTI”(沢山、さぁ!)の一言でした。


            ローマの散歩 今日は日本の 散歩道
                                    
            サクラ花 幸いなり也 春を呼ぶ  
                                  元鷹

第328話 マリオ・ドンデラ写真展

ローマ・テルミニ駅の500人広場の前には、ディオクレティアーノ浴場跡の国立博物館がひっそりとして輝いています。

私は、この博物館前を1週間のうちに何度も通るのですが、その都度入り口左側に飾られたイベントの案内看板がずっと気に成っておりました。

写真展の開催を知らせるこの看板には、ハット思わせるユニークなモノトーンの大きな写真と”MARIO・DONDERO”と開催期間のみが印字されているだけでしたから、この写真家を知らない私には?ばかりでした。

しかし、先日10日(火)夕方に時間が取れたので、気になったまま会期が
終了してしまいますと、その後もずっと気に成ってはいけないと思い、
エイッ!とばかり、博物館へ入った次第です。

さて実は、本論に入る前に少々前置きが必要となります。
”マリオ・ドンデラ写真展”開催のスペース会場のことですが、国立博物館の敷地内にあるのですが、特別イベントを開催する専用のスペースで
催行しています。

確か、昨年のこの時期にも同じ会場で”ロダン展”を見学したことを覚えております。4世紀に造られたテルメ・浴場跡ですから、中中趣きのある
会場となっています。

ところで、”マリオ・ドンデラ”とは如何なる写真家なのでありましょうか?

ウキペディアを見ても的を得た解説を見つけることが出来ずに困りました。1928年5月6日、ミラノ生まれ。報道写真家として、大戦後に活躍してきた人のようです。

展示会を見る限りでは、中近東、西アジア、北アフリカ、スペイン、ロンドン、パリ、ローマなどと報道活動範囲は、広かったように伺えます。

ピエール・パオロ・パゾリーニ(1922-1975、作家・映画監督)が母親のスザンナとエールの自宅で撮った写真が、私には一番印象に残りました。また、レーガン大統領を撮った写真も在って、興味を持たせてくれました。

殆どの写真は、色々な国の普通の人々を被写体にしているものが多く
正直、私にはどんなシーンであったのかが、理解できませんでした。

博物館入口で見たPR用の写真が、展示されているのをみて、トリックのようなポーズは、実はそうでは無かったことを理解することができて、ホットした次第でした。

                                パリのメトロの中のベンチに腰掛けたまま
            眠りこけているコートを着た男
            ※後ろの女性の顔は、宣伝用ポスターなのか?

            

            マリオ・ドンデラ氏の表情
            会場前で使われていたDVDからパチリ!
            1928年生まれですから、今年で80うん歳です。

            
                

            P/パオロ・パゾリーニと母スザンナの写真
            私にはこの写真が一番印象に残りました。

    
            テルメ跡 ドンデラ撮った 写真展
                                 元鷹  






            
            

第334話 MARATONA di ROMA

先週22日の日曜日は、ローマ恒例のマラソン大会の日でした。生憎、朝からの雨でしたが、それでも多くの参加者が続々とスタート地点に集まって、雨模様を吹き飛ばすような勢いで、熱気むんむんの雰囲気でした。

同僚の仲間が、5Kmコースに参加するというので、彼らの応援を兼ねてスタート地点近くまで出掛けてきました。スタート地点は、コロッセオに近い諸皇帝通りのようでしたが、余りに人波がおおくてはっきり分りませんでした。

私は、ローマ・テルミニ駅からB線に乗って仲間との集合場所となった
カヴォール駅に午前8時25分ころ着きました。既にKさんは、カヴォール駅に到着していて、私を待っていてくれました。

テルミニ駅もカヴォール駅もローマ・マラソンに出場する人や応援する家族・友人んで溢れていました。ヨーロッパの国々からは勿論、世界の国々
から、参加する人達がいることを初めて知った次第です。

さて、カヴォール通りを抜けた辺りはマラソンの関係者たちで溢れて身動きが取れないような状態だったこともあり、私は出勤日だった為に同僚のKさん、Dさん、Aさんらの出場1記念写真を撮って、戻ることにしました。


                               テルミニ駅メトロB線プラットホームに
            コロッセオ方面行きの地下鉄を待つ参加者
             
           
カヴォール通りに設置された臨時簡易トイレ
            40以上ありました!

           
スタート付近は、お祭りムードです。
            誰でも風船を無料で戴けます。

            マラソンに 集う笑顔々 雨の中
                               元鷹