2015年10月28日水曜日

第416話 EUR《エウル》を歩く

EUR《エウル》に出掛けました。この地区の話題としてブログには、確か6月に一度”東洋エクスポ”のことについて書かせて頂いております。今回は、「ローマ文明博物館」を初めて訪ねることが目的でした。

さて、"EUR"と綴って、「エウル」と呼びます。
伊和辞典《小学館》によりますと"Esposizione Universale di Roma"
ローマ万国博覧会 *万国博のためムッソリーニが創設した、ローマ新都市、エウル。と説明しています。

地理的には、ローマの南に位置し、レオナルド・ダ・ヴィンチ空港《通称フィウミチーノ空港》の往復時にこの地区を通過しますから、皆さんにも比較的親しまれているかも知れません。

毎年4月ころには、サクラの花を咲かせてくれる公園が在るのもこのEUR地区の一画(”Passeggiata Giappone”)です。

このような訳で、エウルには市内中央では見られない大型の博物館、官庁オフィス、人造湖、はたまたアパート群、などのノッポビルが、散見できます。広々として、市内では味わえない”ゆったり感”が生きているのです。
 
ところで、エウル地区のご紹介はここまでにしまして、「ローマ文明博物館」のことについてお話しを進めましょう。

最寄りのメトロ駅は、B線「EUR FERMI」です。ここから、徒歩15分位だった思います。道路幅のたっぷりしたコロンボ通りに沿って歩きます。

嬉しかったことに「ローマ文明博物館」への道すがら、紅葉した木に出会いました。木肌を見る限り、日本で言う”サルすべり”の木のようでした。はっきりとは判りませんでしたが。※下に掲載の写真をご覧ください。

ローマでは、紅葉、黄葉は殆どこの時季でも見ることは滅多にございませんから、何か日本を想い出してでしょうか、ホットするのであります。

そして、いつものように通りすがりのイタリア人に再確認のため、道を訊ねましたところ、5~6分程度の距離に近づいたことが分って安心しました。

人気の無い入口に到着しましたところ、大きな門扉は閉ざされていて、ビニール袋に収まった告知が眼に入りました。

内容は、「当館は、施設整備の為当面の間閉鎖します。云々。」です。
何とういうことか!!後悔先にたたずの巻。時々、このような失敗はあることですから、腐らないで記念写真を1枚パチリと撮って記念にしました。

いつか将来来てみたい見物候補先にリストアップすることにしよう、と
自分を慰めるかのように心の内に言い聞かせて、静かなエウルの街を後にしました。

道案内ボード
            行き先を教えてくれるボードです。
            手前は、フランス人作家ですが、
            スタンダール通り、そして奥の案内は
            行き先のローマ文明博物館通り。

ローマ市内では、見られない紅葉。
            色が変わる自然の姿は、何ともはや
            美しいものです。


「ローマ文明博物館」正面玄関先
中央大きな扉やや左下の告知ビラ
ご覧いただけますか?
 
秋深く エウル訪ねて 知るローマ
                  元鷹

第415話 エッ!もうナターレ?

26日(月)午後にピアッツア・ヒィーウメにあるローマ唯一のデパートに行ってきました。これと言った買物品が有った訳ではありませんが、時々メンズフロワーやB1にある家庭用品、雑貨日用品、旅行用バッグ用品などを下見するだけでも楽しめるのです。

お世話になったあの方この方へプレゼント品、或はギフト包装紙を観てみようと言った感じでフロワーを歩きまわりました。

幸いにもB1日曜雑貨品コーナーにラッピング用紙が飾られていました。
中に気に入ったデザイン、カラーのラッピングがあったので調達しました。
1ロール8ユ-ロでした。これだけの長さが有れば、結構使えるかな?!

いつも導線にあるスーツケース売場を見るのが常に為っています。今回もフランス製、イタリア製、ドイツ製などの商品を拝見しました。其々のメーカーに特長があって、甲乙つけ難しです。

でも、フランス製のバッグが良さそうに思えて、今後の買物時に参考にしたいと思いました。デザイン、機能性に優れた点がありました。

ところで、このB1には”NATALE”(Xmas)のデコレーションが、されていたのには、少なからず驚きました。未だ、10月下旬です。関連商品もチラホラと並べられていました。年々歳々、スタートが早まっているようです。

デパートを出た通りにもほんの数件ですが、ナターレの飾り付けを始めたお店を見て、もう季節はクリスマス商戦へ移ったのかも知れない、と頷いたしだいであります。
ラ・リナシェンテ百貨店B1家庭雑貨用品
            もうXmasディスプレイが、始まっていました。


               

            やはり百貨店近くの一般のお店
             家庭雑貨のお店でしたが、Xmas関連
             商品が展示されていました。


             過ぎたるは 孔子曰くや 今昔
                             元鷹  

2015年10月27日火曜日

第414話 クワットロ:フォンターネ

さて、話題はローマへ戻しました。比較的見かけることの多い噴水のひとつに”クワットロ・フォンターネ”(4つの噴水)が、町中の交差点にあります。クワットロとは、イタリア語で数字の4という意味です。

他の知名度の高い噴水と違って、交差点の4つ角に在る為に、ゆっくり鑑賞が出来ないと云うデメリットが有るのです。と言いますのもここは交通量が比較的多いところでして、観賞スペースが確保されていないのです。

16世紀後半に法王シスト5世(在位1585~90)の命によって創られたそうですから、その時代から車社会以前までは、さぞかしノンビリと人々は、この噴水を眺め楽しめたものと想像します。

さて、噴水の説明ですが四つ角の噴水のうち、2つは男神(ナイル川とテヴェレ川)、他の2つは女神(ユーノとディアーナ)です。

今日では、カメラを向けるのも一苦労を要するほど、噴水を観賞することが難しい状態です。かと言って、「引越し」させる訳にも参りませんでしょうから、私たちとしては安全に注意を払いながら楽しむ他ありません。

また、ガイドブックにも説明があるようにこの交差点からは、遠くに3つのオベリスクを眺められます。そして、ピア門も小さくみることができてユニークなポイント《交差点》ではあります。

ユノーの女神・・・大統領官邸に向かって
            右側角
     
            
 
ナイル川の男神・・・大統領官邸に
向かって左側角
 
テヴェレ川 の男神・・・Sマッジョレー聖堂に
向かって左側角
 
ディアーナの女神
・・・ピア門に向って左側角
 
如何でしょうか?其々の噴水の在処が、写真と説明書きでお分かりになられましたでしょうか?直ぐにピーンときた方は、少ないかと思います。
 
メジャーな噴水では無いのですが、アイデアに満ちた噴水、泉の都ローマならではの噴水です。チャンスがございましたら、出掛けてご覧願います。
 
 
クワットロ 四方八方 水の出る
               元鷹
 
 

第413話 ナポリの国立美術館 その3/終章

ここナポリの国立美術館は、紀元前後の時代に創られた美術品が数多く展示されていました。殆どの遺跡品や大理石像の時代背景は未だ、ナポリがギリシアの植民地?だった時代でありましょうか?

兎に角、紀元前/後の彫刻や、ポンペイ(ヴィスヴィオ火山で埋もれたナポリに近い古代の町/多くの観光客を集めています)遺跡の出土品が、随分多く展示されていたことには驚きました。一見の価値あり!であります。

話を戻しましょう!
”シヌエッサのビーナス”の展示場所

前回にもお話しをしましたように美術館入口にあったインフォメーションにて場所を確認したのでしたが、ついつい探し切れずにぐるっと回ってから再びインフォメーションに再度伺いました。

学芸員の方でしょうか?大変親切に同じフロアーの回廊(正面左側)まで導いて下さりました。この辺の親切は、イタリア人、否ナポリ人でありました。

彼は、何故このビーナスに関心を持っているのか?とご尤もな質問を
直球で投げてきました。私は、そのまま正直に和辻先生の本の話を基に態々見に来た理由を説明して、彼の納得を頂きました。

彼もここの美術館の展示品を勉強中のようで、私に対しても自分のクラスの生徒であるかのように、ビーナスのお話しをしてくれたのでした。
残念ながら、私にヒヤリング能力が足りずに専門的な部分は、チンプンカンプンでした。

美術観賞の感想を申し上げるのは、私にとって中々困難ではありますが、”シヌエッサのビーナス”の前に立つと、その迫力に押されてしまい、作者の力量にただただ頭を下げるしかありませんでした。

和辻先生の書かれたことばを今一度「イタリア古寺巡礼」p121~122から拾ってご紹介させて戴きます。

”このヴィナスは、首、肩、両腕、胸の半分が欠損したトルソーであるが、しかし残っている下半身だけでもこの彫刻が神品(しんぴん)であるであることを感ぜしめるに十分である。〔中略。〕人間の「いのち」の美しさ、「いのち」の担っている深い力、それをこれほどまでに「形」に具現したことは、実際に驚くべきことである。”(p.121~p.122から一部抜粋しました。)

和辻先生の美術品へのシャープな鑑賞眼によって描き出された評論こそ、読者の皆さまには、是非一度お読み願いたいと存じます。

さぞかし、美術館回廊にひっそりと立つ”シヌエッサのヴィナス”の前に居るかのような空想体験をされるかも知れません。

 ”シヌエッサのヴィナス”は、人気の少ない
              地上階(テラス)の回廊中程にありました。
              紀元前4C、彫刻家スコパス作と推定されて
              いるそうです。〔同著/p.121より〕  

             
            

            ヴィナスの左面側から撮影/回廊の様子が
             少々伺えるかと思われます。


            
              ”アレキサンダー大王の戦い”のモザイクを
             観賞する入館者たち/世界史の本で観た
               ことがありますね。 


             
 
”アレキサンダー大王”の部分をアップしました。
この画が、モザイクで描かれているようには
見えません?私は、出来る限り近寄って見て          
参りました。ポンペイ遺跡からの発掘です。
 
 
ヴィナスとは 悩ましきもの 想像し
                   元鷹
 

2015年10月26日月曜日

第412話 ナポリの国立考古美術館 その2

ナポリは、何度も訪れていましたが地下鉄(メトロ)乗車は,初トライでした。構内のインフォメーションオフィイスに行き、美術館への道のりを尋ねました。メトロ2に乗車で、5つ目の駅「MUSEO」下車と教わりました。

メトロ構内も電車そのものもローマに比べてみると真にキレイなので驚きました!照明も明るくて安心出来る気がしましたし、駅全体のデザイン、カラーなどのが、モダンに構成されていたことにビックリしました。

さあ、いよいよ目的の美術館前に着きました。
楽しみにしていた紀元前4Cギリシアの大理石像”シヌエッサのビーナス”と、モザイク画”アレキサンダー大王の戦い”を観賞できる期待感で気持ちが高ぶってきました。

”シヌエッサのビーナス”とは?

日本に居た時にもここローマでも折に読んでいた岩波文庫の「イタリア古寺巡礼」に詳しく説明されていますので引用させて戴きます。
以下、「イタリア古寺巡礼」p.121

”その中で飛びぬけて優れているのは、ナポリ北方二十マイルほどのモンドラーゴーネから発掘されたヴィナスである。そこに昔シヌエッサという町があった関係から、<シヌエッサのヴィナス>と呼ばれている。中略。
しかもその美しさはパリにある<ミロのヴィナス>の比ではなく、今まで発見されたヴィナスの裸像のうちでこれほど優れたものはないと言ってよいのである。”

さらに和辻哲郎先生の見識は続きます。
和辻先生が、これほどに絶賛されたビーナスをローマに居ながら、このまま見ずに日本へ帰ることは出来ません。どんなに美しいビーナスの名だろうか?もう、目の前に来たのであります。

時間は、丁度正午を廻った頃合いでした。
美術館は、それほどの人混みも無くゆっくりと見られそうな気配がしました。入場料13ユーロ≪およそ1,800円≫私物(リュック)を預けて、さあ!いよいよスタートです。

インフォメーションで、①シヌエッサのビーナスと②アレキサンダー大王の戦いの展示場所を教えて頂き、会場へ向かいました。

美術館のスペースは、たっぷりとして広々した空間の中に古代ギリシア時代の大理石像が、程良く配置されていました。兎に角、大理石像が大きいのには驚きました。

今日の日程は、ここの美術館巡りとナポリのピッツアを昼食にすることの2点しかありませんから、気持ちの上でも急かずに観賞が楽しめました。

※気になる読み方、”ビーナス”か”ヴィナス”?
    英語表記:VENUS
 参考*イタリア語表記:VENERE/ローマ神話/愛と美の神
     ギリシア神話:AFRODITE 

 *ビーナスよりもヴィナス(「イタリア古寺巡礼」表記)が、
  英語読みに相応しいと思われます。気になりましたので
  一言付記します。以上 

国立考古美術館の正面玄関です
ナポリの美術館らしさを味わいました
 
ライオン像が入館者を見守っている
            かのように居座っていました

             

            ああナポリ 美術の宝庫 今来たり
                               元鷹

 

2015年10月25日日曜日

第411話 ナポリの国立考古美術館 その1

24日(土)は終日、秋晴れの好天気に恵まれました。

とは、申しましてもローマのことではありません。ナポリのお天気のことでした。10;00発ソレント行きのフレッチャ・ロッサ《赤い矢》特別急行に身を任せて、ナポリに行き終日ナポリの町を散策していたからでした。

さて、念願叶ってナポリの国立考古博物館へいって参りましたので、今日のブログは、ローマとはまたひと味違った「ナポリタン」になりそうです。

電車は、ほぼ満席状態でした。4人掛けで向き合うシートに座ったところ、ほかの3名は、アメリカからイタリア旅行を楽しんでいらっしゃるご婦人がたでした。

大きな布製のキャスター付きバッグを天井棚に乗せる手伝いをしたこともあって、われわれ4人は、まるで同じグループ意識が生まれて、ナポリに着くまでのおよそ1時間は、楽しい”英会話”の教室のようになりました。

話題は、イタリア旅行《ヴェニス、フローレンス、ローム(以上地名は英語式発音)》の体験、ナポリでは美術館巡り、アマルフィーへ出掛けること、ポンペイ、カプリにも行きたい、等々話題は盛り上がりました。

あっと言う間にナポリ中央駅に到着。

大きなバッグを下ろして、プラットホームにて別れました。それにしても、
3人のアメリカ人ご婦人らの元気さ振りには敬服の至りでした。楽しいご旅行を!と申し上げて、私はメトロ(ガルバルディ駅)へ急ぎました。

                               テルミニ駅にて
            出発前のプラットホーム11番線にて



            国越えて 旅の話題は 楽しけり
                              元鷹    

2015年10月24日土曜日

第410話 謹んでお知らせ申し上げます。

             読者の皆さまへ

謹んでお知らせを申し上げます。
タイミングを見計らいながら、とうとう今日の日を迎えました。
と申しますのも、2016年新春の1月に日本へ帰国する予定でございますこと、ご報告させて戴きます。

此処ローマは本当に住み易いところで、全方位的にみましても、さぞかし得難い町であろうかと常に想う次第であります。しかし、先のブログにても、在ローマ通算10年を経過しましたことをお伝えさせて戴きました。

2011年8月からスタートしましたこの”ROMAの麗雅都だより”のブログ作成のお陰で、随分とローマを散策することが出来ました。
ローマの散歩を心から楽しみ、張りのある生活を送ることができました。

そして、同じ位の喜びをローマの市井の人達の親切さの中に味わうことが出来たのでした。下手なイタリア語でも、ローマの人々は、初めて会った日本人の私の質問へ真剣に耳を傾けて、真摯に答えてくれたのでした。

このようなローマの人々の素晴らしいお人柄に幾度も幾度も助けられました。明るく気取らずに、率直に話をしてくれたローマの人々にどれだけの感謝の気持ちをもってしても、伝え切れない深謝のことばが、そのまま行き場を失って、宙に浮いているように思えてなりません。

区切りとしまして、かってながら本年12月31日大晦日を境に、「ROMAの麗雅都だより」の発信を終了したいと存じます。
何卒どうか、予めのご理解とご了承を切に腹からお願い申し上げます。

この時点でお伝えした理由は、他ならぬパソコン事情もその一端を担っております。この4年間で、幾度となくパソコンが自由に為らずに困り果てたことがございました。

今は、やっと調子が戻ってきておりますので、皆さまへのご挨拶に失礼が無きように、少々早めかと存じますが、ご報告ご挨拶させて頂いた次第でございます。

ほぼ残すところ70日余りですが、出来るだけ精一杯の努力をしてローマの話題をお伝えしたいと云う気持ちで一杯でございます。

どうぞ、最後の最後までおつきあいを賜ります様に心からのお願いを
申し上げます。

日本は、秋も深まり紅葉の素晴らしい季節を迎えようとする頃でございますでしょうか。実りの秋にあやかって、読者の皆さまには一層の幸多からんことを期する次第であります。

             
       秋深し 光陰ははや 矢の如し
                       元鷹      





2015年10月21日水曜日

第409話 生まれ変わるコロッセオ その2

ローマに来てコロッセオに遭遇しない観光客は少ないと思います。
市内のほぼ中央に位置していますし、交通の要所でもありますから、必ずやコロッセオを近くに或は遠くにあってご覧になることでしょう!

私が初めてコロッセオを観ましたのは、丁度40年前の1975年8月でした。心臓がドキドキ、音を立てるほどの驚きだったことを今では懐かしく
想い出すのであります。

その時の印象は、”ローマの石の建築文化”に触れたことへの感動でした。トレヴィの泉にも行った記憶が残っていますが、コロッセオを観た時の驚き程のことはありませんでした。

さて、コロッセオのサイズ・特徴をみてみたいと思います。

1.大きさ
   長径188m、短径156mの楕円形(それぞれ諸説のサイズあり)
   外周壁50m
2.建築材料
   トラヴァーチン(大理石)100,000m3(平米m)
   鉄300t、など
3.収容人数
   50,000人~55,000人
4.入り口(地上階アーチ)
   80箇所(66箇所と指摘する参考本もあり)

建設者、その他など

1.時の皇帝ウエスパシアヌスが、西暦72年に始め
  息子ティトゥス帝の時代(西暦80年)完成した。
2.西暦214年 コロッセオに落雷、442年 地震があった。
3.コロッセオの近くに高さ35mのブロンズ製のネロ像《コロスッス》が
  あった。中世以来、コロッセオと呼ばれたのはこの像から派生した
  もの、と言う説がある。※但し、ネロ像の呼称は、他にも例えば、
  コロッサーレ、或はコロッソと説明している図書もあります。いずれ
  にせよ、ネロ像から派生して名付けられもの、としている点では
  同様であります。
4.3層のアーケードは、3種類の古典建築オーダー(ドーリス式、イオニ   
 
  ア式、コリント式)を積み重ねたもの。   

大体ではありますが、以上の事柄を頭に入れてコロッセオを見学されてみては如何でしょうか?

このコロッセオでは、北アフリカから連れて来られたライオン、像、豹ほか多くの野生動物が、剣闘士と戦わされたと言うことであります。また、剣闘士同士の戦いも見せものになっていたとか。

西暦404年になって、剣闘士の争いが禁止されたとも記録されています。
そして、野獣の殺し合いが禁止されたのは、西暦523年だと云うことです。
また、中世には廃墟のようになったコロッセオの建材《大理石、レンガ、他》は、歴代法王によって持ちだされ、教会などの施設に使用されていたようであります。

2012年の元旦だった思いますが、早朝6時頃にコロッセオを一周歩いてみました。ジッと見詰めましたところ、大理石が剥がされた部分からは、薄いレンガが、幾重にもなっているのが見えました。レンガとレンガの間は、セメントで固められているのでした。

1枚1枚のレンガによって、この巨大な建造物は支えられていることが、真に不思議でなりませんでした。幾百人、幾千人の人間がこのコロッセオ造りに加わったのだろうか?などと、答えも出ないようなことを空想しながら、一周したことが想い出されてきました。

観光客が楽しみに世界から見学に訪れるローマの多くの歴史的建造物は、今修復中になっています。コロッセオ他、トレヴィの泉、スペイン階段などです。

これは、今年12月08日からスタートする聖年《2016年12月00日まで》を迎える為のお化粧直しがその理由ではないでしょうか?

サン・ピエトロ大聖堂を始め由緒ある聖堂、教会の聖なる扉が開きます。
《通常は閉じたまま状態》この聖なる扉を潜ると天国への道が開かれるのでしょうか?

正しい知識を持ち合わせて居りませんが、世界から多くの巡礼者がヴァチカン市国に来ることだけは、ほぼ間違いないようであります。
コンスタンティヌス凱旋門と
            コロッセオのデュエット
            どちらも美しい!美の競演です。


             2000年 永久に建つかな コロッセオ
                                 元鷹                                     

2015年10月20日火曜日

第408話 生まれ変わるコロッセオ その1

いい季節となりました。女心(男心とも)と秋の空。毎日のお天気は、天気予報とは違って、非常に読み憎い日々が続いています。

それでもお天気が良い日は、何と言っても爽やかで気持ちが晴れる想いがします。其々の季節に恵まれている日本と同じようにローマの季節も素敵です。

私にとっては、この時期は”旅愁”のメロディーが朝に夕に浮かんでまいります。アメリカの作曲家オードウェイ、そして作詞は犬童球渓です。
秋の深まりと共に、♫ふけゆく あきのよ たびのそらの ♪と何処からともなく聞こえてくるようです。

さて、前回から随分と時間を空けてしまいました。
実は、またまたエンストならぬブログ・スト?に嵌ってしまいました!

8月にもお世話になったP/CサービスセンターにP/Cを持ちこみまして
ヒントを頂いたお陰で、やっと再スタートが出来ました。
ご心配をお掛けしてしまいました。恐縮至極であります。

いよいよ本論へ。
先週13日に所用???がありまして、コロッセオへ参りました。
相変わらずの堂々とした体格、否、建造物*体でありました。

側に建つコンスタンチヌス凱旋門からコロッセオを観ましたら、
なんん・・・とその右側中央辺りは、修復されてモダンなデザインに生まれ変わっていたことが分り、驚き感心した次第です。

そのような感慨を抱きつつ、古代ローマの代表的な巨大石造建築/円形
競技場”コロッセオ”のことをもっと掘り下げてみたい、という欲求に駆られて、トボトボと小雨のなか諸皇帝通りを一人歩き、ヴェネツア広場のバス停へ向かいました。

ここの部分は、メトロB線「コロッセオ」
            駅を出て、ほぼ反対側の位置となります。
            まん中右側をご覧ください。修復された
            箇所となります。


            
新しい顔を創りだしたコロッセオ(部分)
            アナボコばかりのコロッセオでしたが、
            モダンな今風のイメージを発信しています。


            コロッセオ イタリアの臍 ど真ん中
                               元鷹 

2015年10月4日日曜日

第407話 噴水三昧 その2

ローマ市内至る所に設えられた大中小の噴水は、市民には勿論のことですが、旅行者や巡礼者には大切な憩いの場所となっています。

歴史的には、古代ローマ時代から街の中心地へと、水路は延々と水道橋などを利用して運ばれてきたようです。

市内の水のターミナル《プールされた位置》の目印的オブジェとして、或は時の権力者の威厳を保つものとして、泉・噴水が造られたようです。

とくに顕著なのは、16世紀から17世紀に掛けてのいわゆるバロック時代と括られる時代です。時の法王シスト5世は、大司教のころからローマに都市計画が必要なことを考案し、着々とタイミングを計ったのでした。

ときや良し、法王《1585-1590》になると一気にローマの都市整備へと情熱を傾けたのでした。今でもそのカタチを私たちは眺めることが可能です。その代表的なものは、オベリスク、噴水にみられます。

さて、本論に戻ります。前回の「亀の噴水」に続いて、”本の噴水”を
ご紹介します。パラッツォ・アルテンプスを後にしてリナシェメント通りを
エマニエレⅡ通りに向かう左側に、Via degli Staderariがあります。

この通りへ入ると直ぐに右側の建物に組み入れられた噴水が、
「本の噴水」です。この地区は「サンテウスタキオ」と呼ばれています。
噴水は、建築家ピエトロ・ロンバルディに依るものです。1930年代頃。

そして、ラルゴ広場に近いVia delle Botteghe Oscure,31に在る
「CRYPTA BALBI」博物館に立ち寄り、ヴェネチェア広場を通り越してコルソ通りへ出て、ポポロ広場へ向って左側を歩くとVia LATAが見えます。

観光客で人混みが多く、見失いがちですが、ラータ通りに入ると直ぐに右側の建物の壁に嵌った噴水がご覧に戴けます。面白い構図の「ファッキーノの噴水」です。”水売り人”がモチーフです。

結構な年をした男が、胸に水樽を持って水を出しているのですが、
その商売の恰好がそのまま噴水のデザインになっていて中々愉快です。

建築家ピエトロ・ロンバルディの噴水
            本と鹿頭部には、ストーリーがあります。

”ファッキーノの泉” 16世紀後半に造られた
            ファッキーノとは、力仕事に従事する人の総称だったとか。


             街ぶらり 噴水みかけ 憩う我
                             元鷹

2015年10月3日土曜日

第406話 噴水三昧 その1

さて、パラッツオ・アルテンプス《美術館》を堪能したあとは、街中の散歩を楽しみました。前話にてお話しましたように入場券は、合計4つの美術館を訪ねることができます。

整理しますと、1枚13ユーロで購入した「ローマ国立博物館」《Museo Nazionale Romano》入場券は、

1.ディオクレツァーノ浴場跡《美術館》
2.パラッツオ・マッシモ《同》
3.パラッツオ・アルテンプス《同》
4.クリプタ・バルビ《同》

以上の4か所での美術品の観賞が可能なのです。
金額の面では随分とお得感が有りそうですが、条件がありまして、3日間で廻らなければなりませんから結構大変なのです。

しかも、展示されたアートは、殆ど大理石の彫刻です。ですから、自分の好みも鑑みてみる必要があります。幸いなことに、私は彫刻の方が絵画より好みがあるタイプのようで、面白く興味を持って歩くことが出来ました。

さて、説明が長くなりましたので先を急ぎます。
クリプタ・バルビ《美術館》へ行く前に、通りがかりに在る「亀の噴水」を
久し振りに見に行ったのでした。

ジャコモ・デッラ・ポルタとタッデオ・ランディーニに依って創作されたと案内板に紹介があります。この噴水については、ずっと以前にも書かせて戴きましたので、アーカイヴの「ローマの噴水」をご覧願いたいと思います。

余談ですが、この「亀の噴水」の横に、”亀の噴水”と命名されたバールがあります。ここに知人のアルベルトさんが働いていることを承知していましたので、挨拶に顔を出してみました。

アルベルトさんは、私の突然の訪問を満面笑みを浮かべて迎えてくれました。彼は仕事の早い人でしたが、感動したことには、私の好みを忘れずに覚えていてくれたことでした。それは、私がグラスの器で飲むことです。 

さすが、アルベルトさんは、プロのバリスタ《BARISTA》です。客の好みを忘れずに、さり気なくもてなすサービス精神に感激したことは言うまでも有りません。

ここで頂いた一杯のエスプレッソはローマ一番の味に感じられました。

                  
 
マッテイ広場の”亀の噴水”は、ローマで最も
エレガントなデザインをしていると思います。
 
 
亀の子が 優雅に遊ぶ マッテイに
                 元鷹

第405話  パラッツオ・アルテンプス(美術館)

Altempsと綴って「アルテンプス」と呼ぶそうです。今日では、美術館となっているのですが、元々は法王シクストゥス4世の甥ジロラモ・リアリーオの館だったそうです。

やがて、1568年マルコ・シッティコ・アルテンプス枢機卿なる人物がこの館を買取ったそうですが、以来450年の変遷を得ながら、持ち主も変わって、「パラッツオ・アルテンプス(美術館)」として存在しているわけです。

今日は、このパラッツオ・アルテンプス(美術館)のご案内です。
此処を訪ねたキッカケは、紀元前5世紀のギリシャ彫刻の傑作「ルドヴィシの玉座」を再び観賞することにありました。

と言いますのも前回は、もう20年も前になるのですが、ローマ国立博物館(テルミニ・五百人広場の前)の回廊側にあったルームで観たことがあって、今一度再会?したいと暫くの間念じていたからです。

幸いにも先日「ヘンリー・ムーア展」に入場した入場券は、他の3か所の美術館を3日以内なら入場出来る仕組みになっている共通券だったのでした。これは、何としてもこの機会に、と3日目の本日滑り込んだ次第です。

今日の金曜日は、交通機関がストライキ《ショペロ》でした。
道路も混雑している様子だったので、運動不足解消も兼ねて目的地まで歩くことにしました。

テルミニ駅から精々2km~3km程度なので、大した距離ではありません。ナボナ広場に近いところに在る美術館ですから、ナボナ広場も見学しながらノンビリと秋空の下を歩きました。

入場してみると館内には、見物客は少なくてゆっくりと展示品《ギリシャ彫刻》を観ることが出来たのは、幸いでした。

特に待ちに待った作品《ルドヴィシの玉座》の部屋では、たっぷりと時間を使って観賞出来たのは大きな収穫でした。

 「ルドヴィシの玉座」右側面の香を焚く乙女

             
              正面・二人の乙女に海から引き上げられる
              アフロディーテ
              左側・フルートを吹く乙女


              
              
              ギリシャの美 アルテンプスに 集い来る
                                   元鷹 

2015年10月2日金曜日

第404話 スパヤキソバ

いよいよ10月となりました。ローマは、早朝から雨で肌寒い位です。
芸術の秋、スポーツの秋、そして食欲の秋であります。

今日のご紹介は、私の十八番(おはこ)メニュー、「スパヤキソバ」です。
大変簡単に作れて美味しく召し上がれますから、是非お試しください。

スパヤキソバ 2人前

○材料 スパゲッティ 番手の細いもの 200g、お好みでOK。  
     キャベツの細切り/適量、ウィンナーソーセイジ/7ヶ、人参薄切
     少量、ミニトマト/お好みで                  
     茹で卵1個/半分カット、海苔/千切り少々、

○調味料 塩・胡椒少々、オイル/フライパンに少々
      水お猪口2杯程度、焼きそばソース適量

○作り方 スパゲッティは、3分出来上がりのモノは3分茹で
      5分出来上がりのモノは5分茹で、とします。
      ※具とは別に茹で上げて置きます。


      次に、具を調理します。
      オイルを敷いたフライパンに、上記の具を一度に入れて、調味
      料を使って炒めます。出来上がったら、皿に盛って置きます。


      フライパンに茹で上げたスパゲッティを入れて1~2分炒め、            最初に水お猪口2杯程度を上からかけます。

      火が通ったら、具と良く合わせて火を止めて下さい。

      お皿に盛り合わせて、お早めにお召し上がりください。
      焼きそばが咽喉につかえることが有りますので、お水など
      飲物をご用意願います。

      それでは、この第404話を書きながら、作りましたので
      写真をご覧下さいませ。
                               本日のお弁当は、             ”特製スパやきそば” となりました。
       

             BUONAPPETITO!
                                 Mangiare Tanto !


             さあ食べよ スパヤキソバは おらが味
                                   元鷹